【2023注目の逸材】
宮崎煌大
みやざき・こうだい
【所属】北海道・星置レッドソックス
【学年】6年
【ポジション】投手※全ポジション可能
【主な打順】二番、三番
【投打】左投左打
【身長体重】155㎝48㎏
【好きなプロ野球選手】杉内俊哉(元巨人ほか)、大谷翔平(エンゼルス)
※2023年3月8日現在
閃光とまではいかなくとも、冬の神宮球場で間違いなく光った、北の二刀流だ。2022年暮れのポップアスリートカップ全国ファイナルトーナメント。至難の北海道予選を制して2年連続3回目の出場を果たした星置レッドソックスは、6年生(当時)4人の若いチームながら、同トーナメント初白星を挙げた。左投げにして遊撃も守った宮崎煌大(当時5年)は、続く準々決勝で先発のマウンドへ。
「去年の全国(同トーナメント)は、僕は試合に出られなかったので、今年は自分が出て投げて1勝しよう、と」
「下半身をもっと使えるようになれば、伸びしろがさらに広がるはず」。投手育成に定評のある渡辺監督の期待値も高い
1対2の惜敗で思いは叶わなかった。しかし、打者と駆け引きしながらの緩急のピッチングは経験値の高さを、巧みなターンと連係による二塁けん制は練習の量を物語るようだった。打順は三番に入り、左打席から鮮やかなクリーンヒットも放ってみせた。
「宮崎の一番良いところは、物怖じしないところ。実はコロナ感染後の自宅待機が明けたばかりで、ボールに触れたのは10日ぶりくらい。いきなりの実戦だったんですよ」
試合後にそう明かしてくれた渡辺敦監督は、6年生卒団後の新チームでも宮崎をあらゆるポジションで意図的に起用しているという。「捕手もやらせました。もちろん、投手の柱は宮崎なんですけど、一枚だけでは大会を勝ち抜けませんし、何より彼には視野を広げてもらいたいんですよね」。
打線でもキーマン、相手や狙いによって二番か三番を任される。「バッターでは大谷選手が好きです」
仲間6人と描く夢
投げると打つで十分に秀でている。それだけに、野球をより深く理解して状況を読んだり、次の一手も考えて動けるようになってくると輝きはさらに増す、と指揮官は踏んでいるのだ。宮崎自身はセールスポイントをこう語る。
「投げるほうでは、大事な場面で抑えられるところ。打つほうは自分が打とうと思った球は全部ミートするところ。逆に打とうと思っていない球は絶対に振らないです」
地元・北海道の日本ハムファイターズから巣立った大谷翔平(エンゼルス)のように、投打二刀流に意欲を燃やしているのか。水を向けると、意外な答えが返ってきた。
「投げるのも打つのも、そんなに好きじゃないけど、どちらかと言えば投げるほうが好きかも。そういうことより、チームが勝つのが一番好きです。新チームでは去年より多くの優勝旗を獲って、今度は夏の神宮(全日本学童大会)にも出てチーム最高の全国ベスト8を超えたい」
同じ思いを抱いて切磋琢磨する同級生の仲間が、チームに6人いる。
(大久保克哉)